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中古マンションの資産価値は何で決まる?10年後に後悔しない物件の見分け方【宅建士が解説】

中古マンションの資産価値は何で決まる?価値を決めるのは築年数・駅距離・エリア・管理

「このマンション、10年後にいくらになっているんだろう」。

購入を検討していると、必ずこの不安に突き当たります。先に結論をお伝えします。

「何年でいくら下がる」は、物件によってまったく違います。決めるのは主に築年数・駅距離・エリア・管理の4要素。同じ価格・同じ広さの物件でも、この4つの差で10年後の価値には大差がつきます。

この記事で分かること
  • 資産価値を決める4要素(築年数・駅距離・エリア・管理)の中身
  • レインズ公表データで見る、築年数と成約単価の実際の関係
  • 10年後の「残債割れ」を自分で試算する手順
  • 資産価値が落ちにくい物件のチェックリスト

1. 結論:資産価値は4要素でほぼ決まる

マンションの資産価値、つまり「将来いくらで売れるか」。実務で物件を見ていると、大勢を決めるのは次の4つです。

  1. 築年数——買う時点と売る時点の築年
  2. 駅距離——駅からの徒歩分数
  3. エリア・需給——住みたい人が増える場所か
  4. 管理——修繕積立金・長期修繕計画・管理状態
マンションの資産価値を決める4つの要素:築年数・駅距離・エリア需給・管理。同じ価格でも10年後の売却額は大差がつく

「10年で○割下がる」という一般論が当てにならないのは、この4要素の組み合わせが物件ごとに違うからです。ひとつずつ見ていきましょう。

2. 要素1:築年数——「下落カーブ」の実際をデータで見る

まず、多くの方が誤解しているのが「価値は毎年同じペースで下がる」というイメージです。実際の下がり方は直線ではなく、カーブを描きます。

実際のデータを見てみましょう。不動産流通機構(REINS)のうち首都圏をカバーする東日本レインズが公表している、2026年1〜3月の首都圏中古マンションの築年帯別・成約㎡単価です。

築年帯成約㎡単価(万円/㎡)
築0〜5年156.4
築6〜10年132.9
築11〜15年123.6
築16〜20年103.5
築21〜25年93.0
築26〜30年75.0
築30年超48.7

出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2026年1〜3月】」(2026年4月17日公表、PDF

築5年以内の帯と築26〜30年の帯を比べると、単価水準は半分以下。築年数が価格に大きく効いていることが分かります。一方で、同レポートでは築30年超の物件が成約件数全体の40%以上を占めており、「古いから売れない」わけではないことも読み取れます。

ただし注意があります。この表は「同じ時期の市場を築年帯別に輪切りにした平均値」であって、あなたの物件が将来この率で下がるという意味ではありません。同じ築年帯の中でも、残り3つの要素の差で大きなバラつきがあります。

3. 要素2:駅距離——徒歩分数が効く本当の理由

駅からの徒歩分数は、資産価値に最も分かりやすく効く条件のひとつです。理由は感覚論ではなく、構造的なものです。

築年数は毎年増えますが、駅距離は変わりません。時間が経っても劣化しない条件だからこそ、長期の資産価値では駅距離の比重が大きくなっていきます。

4. 要素3:エリア・需給——同じ市内でも明暗が分かれる

「大阪市内だから安心」「郊外だから危ない」という大きなくくりでは判断できません。実務で成約データを見ていると、同じ市内でも駅単位・学区単位で値持ちの良し悪しが分かれます

考え方はシンプルで、そこに住みたい人が今後も入ってくる場所かどうかです。通勤アクセス・子育て環境・生活利便が揃った場所は買い手・借り手が絶えず価格が支えられ、人口が減る地域では「買いたい人の母数」が細っていきます。

参考までに、近畿圏をカバーする近畿レインズの公表データでは、2026年1〜3月期の中古マンション平均成約価格は大阪市で4,344万円(前年同期比+4.6%)と、大阪市は2015年10〜12月期から42四半期連続で上昇。一方、同じ大阪府でも南部エリアの平均は1,937万円と、エリアによる水準差は非常に大きいのが実態です(出典:公益社団法人 近畿圏不動産流通機構「季刊市況トレンドレポート 2026年1〜3月期」PDF)。

再開発や人口動態は「どの街が上がる」と断定できるものではありません。ただ、「この駅の中古マンションは、ここ数年どう動いてきたか」は確認できます。それには後述する成約データが必要です。

加川将嗣(宅地建物取引士)

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「正味で言う不動産セカンドオピニオン」は、検討中の物件の価格の妥当性と資産性(出口)を、REINSの成約データに基づいて第三者の宅建士が診断するサービスです(大阪市内の中古マンション対象)。

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5. 要素4:管理——「マンションは管理を買え」の意味

不動産業界には「マンションは管理を買え」という古い格言があります。築年数が同じでも、管理の良し悪しで建物の傷み方も、売却時の評価もまったく変わるからです。

売却の場面で管理が効く理由は2つあります。

なお、国土交通省が「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」で目安水準を公表しています。積立金が目安を大きく下回っているマンションは、一見「維持費が安くてお得」に見えて、実際には将来の値上げや一時金の予告であるケースがあります。

築古でも管理が行き届いたマンションは、市場でしっかり評価されます。築年より管理状態が出口を左右する——これが実務の感覚です。

6. 実践編:10年後の「残債割れ」を試算する3ステップ

資産価値の議論を「自分ごと」に落とすには、残債割れしないかを試算するのが一番です。残債割れとは、ローン残高より売却額が低く、「売っても完済できない=売るに売れない」状態のことです。

  1. 10年後のローン残高を出す:返済予定表やローンシミュレーターで確認できます。
  2. 10年後の売却想定額を置く:ここが肝心です。同じマンション内・近隣の似た条件(築年・広さ・駅距離)の「成約水準」を基準に置きます。検討中の物件が築10年なら、同じマンションや近隣の築20年前後の物件が実際にいくらで売れているかが目安になります。
  3. 2が1を上回っているか比べる:上回っていれば、いざというとき身動きが取れます。下回るなら、その差額をリスクとして認識したうえで買う判断になります。

多くの方がつまずくのがステップ2です。ポータルサイトの売出価格を使うと、試算は過大評価になります。売出価格は売主の「売りたい希望価格」であり、実際に売買が成立した成約価格とは別物だからです。そして成約データは不動産流通機構(REINS)に集まっており、ポータルサイトには載りません。ここだけは、買主が独力で埋めにくい部分です(詳しくは値引き交渉の記事で解説しています)。

7. 資産価値が落ちにくいマンション チェックリスト

  • 駅徒歩は検索条件の壁(10分以内など)の内側か
  • そのエリアは住みたい人が入ってくる場所か(駅単位・学区単位で見る)
  • 新耐震基準(1981年6月以降の建築確認)か
  • 修繕積立金は国交省ガイドラインの目安に対して不足していないか・値上げ予定はあるか
  • 長期修繕計画があり、大規模修繕が計画どおり実施されているか
  • 同じマンション・近隣の成約水準で10年後の売却額を置き、残債割れしないか試算したか
※価格の妥当性・管理・リスクを含めた申込前の総点検は、申込前に確認すべき5つの視点にまとめています

8. よくある質問

マンションの資産価値は10年でどれくらい下がりますか?
一律の答えはありません。市場全体では築年帯が古いほど成約単価の水準が低くなる傾向がありますが(本文の表参照)、個別の物件がどう動くかは築年数・駅距離・エリア・管理の4要素の組み合わせで大きく変わります。ほとんど下がらない物件も、大きく下がる物件もあります。
資産価値が落ちにくいマンションの条件は何ですか?
駅からの徒歩分数が近いこと、住みたい人が多いエリアであること、修繕積立金と長期修繕計画が健全であること、新耐震基準(1981年6月以降の建築確認)であることが代表的な条件です。築年数だけで判断しないことが大切です。
検討中のマンションが10年後に売れるか、どう調べればいいですか?
同じマンションや近隣の似た条件の物件が「実際に売れた価格(成約水準)」で売却想定額を置き、10年後のローン残高と比べます。成約データは不動産流通機構(REINS)に集まっており、ポータルサイトには載りません。売出価格で試算すると過大評価になる点に注意してください。

9. まとめ——4要素は自分で見られる。最後の1ピースが「成約価格」

4要素のうち、駅距離は物件情報で、エリアの肌感覚は現地で、管理は営業担当への質問と重要事項説明で確認できます。残るのは「この物件はいくらが妥当で、10年後にいくらで売れそうか」という数字の裏付けです。ここに必要な成約データは不動産流通機構(REINS)に集まっており、ポータルサイトには載らない“実際に売れた価格”です。買主が独力で埋めにくいのは、この1ピースだけです。

当社では、検討中の物件の価格の妥当性と資産性を、売る側と利害関係のない第三者の宅建士が診断する「正味で言う不動産セカンドオピニオン」を提供しています。

「10年後にどうなるか、なんとなく不安」のままで構いません。数千万円の決断の前に、一度だけ立ち止まって、数字で確かめてみてください。

加川将嗣(宅地建物取引士)

10年後の出口まで、数字で確かめてから決める。

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